11月だというのに汗ばむ陽気の水前寺競技場。
第94回全国高校サッカー選手権熊本大会は準決勝に突入。
第1試合は大津高校と済々黌の激突です。
総体のベスト4でも対戦した両者。
そのときの対戦は大津が4-1で制しました。
大津の勝ち上がり
4回戦 vs東稜4-0
順々決勝 vs学園大付属5-1
夏のインターハイで3回戦敗退に終わった大津。
5番野田くん、9番一美くんはガンバ大阪への入団が決定。
先輩たちが2年連続で敗退してきた準決勝へ挑みます。
済々黌の勝ち上がり
4回戦 vs八代4-1
順々決勝 vs熊本工1-1(PK4-2)
総体では大津に対して善戦が光ったものの、
3年生が全員引退し、新チームで臨んだ選手権。
見事にベスト4まで勝ち残ってきました。
両校の応援がヒートアップする中キックオフの笛が鳴ります。
一美くんと11番原岡くんの2トップで臨んだ大津。
開始2分。大津は一美くんがループを狙うも外れ、
さらに14番杉山くんが左からクロスを上げ、原岡くんが合わせるもCKへ。
そのCKを原岡くんが押しこみ、大津があっという間に先制。
その後も猛攻を繰り返す大津。開始10分で10本を越える勢いで
済々黌にシュートの雨を浴びせます。
済々黌のクリアボールは野田君と4番眞鍋君が回収。
大津のターンが続きます。
10分過ぎにはCKのクリアを奪って上がったクロスを眞鍋くんが決め、
早くもリードを2点に広げます。
済々黌の最初のチャンスは15分。
中盤で奪うと5人が一気に上がるものの、GK前田くんに阻まれてしまいます。
ときおり中盤に降りてはビルドアップに加わる一美君。
28分にはペナルティエリアの外でパス交換。
フリーになった刹那、GKの頭上を鋭く射抜くシュートを沈め、3-0。
J内定選手の豪快な一撃にどよめくスタジアム。
大津は7番河原くんがアンカーと展開を担い、野田くん、眞鍋くんと
3人で残ってチームを押し上げ、済々黌は11番築城≪ついき≫くんがサイドのスペースを
突くところまではいくものの、シュートには至らず。
前半終了間際には、杉山くんのクロスを10番吉武君が
左足ダイレクトでゴールに突き刺し、4-0として前半を終えます。
よく4点で済んだと言える前半を終え、
後半のキックオフ。
後半2分、CKから野田君がヘッド。こぼれ球を原岡くんが詰めて5-0。
済々黌は前線に2枚残してカウンターを狙うものの大津のパス回しを
止めることができず。
10分過ぎには、杉山くんが直接FKを決めて6-0に。
さらに数分後には河原くんがグラウンダーのシュートを決めて7-0。
一緒に観戦していたファンが「決勝に取っておいてほしい」と
いうのもうなずけるゴールラッシュ。
それでも、済々黌応援団の声援はやみません。
7-0となったところで一美くんを下げ、8番河田くんを投入。
吉武くんとともにOMFに入ります。
ハットトリックを狙いに行っていた原岡くん。
ヘディングをたたきつけ過ぎてポストに当たるなど
3点目を決めることが出来ずに24番成合くんと交代に。
大津のMFの前にはスペースが生まれつつありましたが、
野田くんと河原くんの間でのパス交換を増やしてリズムを
整え、済々黌にスキを見せない大津。
交代選手たちにもゴールが生まれず、
このまま7-0で終了かと思われた
アディショナルタイム。
杉山くんがゴールを奪い、
河田くんがGKの手をはじく強烈な一撃を突き刺し、
そしてゴール正面から、またも河田くんが強引にねじ込み、
ゴール数を2ケタに乗せて試合終了。
10-0の試合を見るのは初めて。
衝撃的でした。
1、2年のみで挑んだ済々黌のメンバーは最後まで戦い抜きました。
拭い去り難い経験を力に代えて、新人戦、そして総体で
成長した姿を見せてくれることを願っています。
そして、
予想以上の圧倒的な強さを見せつけた大津。
インターハイで関東第一になめさせられた苦杯を糧に、
脇役と呼ぶには輝きの強すぎる個性がさらに成長を遂げていました。
昨年の準決勝で敗れた東海星翔との決勝戦。
進化するブルー軍団は3年ぶりの全国へ飛び出せるでしょうか。
決戦は土曜日。水前寺競技場で12時05分キックオフです。